江夏豊氏 “原采配”野手の投手起用を厳しく批判「果たしてそれがプロの姿なのか」
阪神OBで野球評論家の江夏豊氏(72)が8日、賛否両論を呼んでいる巨人が6日の阪神戦(甲子園)で増田大輝内野手(27)を6番手としてマウンドに送った策に「お客さんに失礼ですよ」と厳しく批判した。
この日、テレビ大阪で生中継された「ナマ虎スタジアム」広島-阪神戦(マツダ)の解説を務めた江夏氏は、デーゲームで巨人が3連敗を喫したことについて「甲子園3連戦の3つ目、負け方の内容がちょっとひどすぎたですよね」と、この一件について触れた。「野手を放らせたり、プロ入り初登板の子を伝統の一戦に使う原監督のリリーフを休ませたいという根拠はわかりますよ。でもあまりにもね、たとえ5000人しか入っていないお客さんに対して失礼ですよ。あの起用法」とバッサリ斬った。
原監督は11点差を付けられた阪神戦の八回1死から、増田大を6番手としてマウンドに送った。ブルペンには中川、大竹、鍵谷、大江の4投手が残っていたが、点差を考慮して温存。巨人では1946年の千葉茂以来となる野手登板に踏み切った。
この起用法には現役、OB問わず波紋を広げている。球界のレジェンド・江夏氏も黙っていられなかった。「原監督の手腕として素晴らしいところだという説もありますけれど、僕自身、それはちょっと違うんじゃないかという気がしましたね」と疑問を口にした。
そしてプロ野球のマウンドについても持論を持ち出した。「それなりに勝ち抜いてきてマウンドに上がるもんだと。そういう気が僕はしてますけどね」と語る。「ただ単に日程的な苦しさからピッチャーをやったことのない野手をマウンドに上がらせる。果たしてそれがプロの姿なのかという気がしますね」と厳しい口調を崩さなかった。