「ソフトバンク８－７オリックス」（１１日、ペイペイドーム）

　大逆転を許した嫌なムードを振り払ったのは「恐怖の２番」だった。六回２死一、二塁、ソフトバンク・柳田は左腕の変化球に泳がされ、ほぼ右手１本の状態で何とかボールを捉えた。「技術的なことは分からない。気持ちで打った」。ふらふらと上がった打球は右翼テラス席へ飛び込み、味方も驚がくの逆転１４号３ランとなった。

　３点リードの二回に２戦連発となる１３号２ランを放ち、そして値千金の１４号逆転３ラン。本塁打ランキングで楽天・浅村らに並んだ。君臨していた首位打者と合わせて２冠。故障からの復活を果たしたスラッガーの勢いは止まらない。

　そんな中心打者が気にかけたのは後輩。「川瀬が塁に出てチャンスを作ってくれたので、打席が回って来た時に絶対返してやろうと思いました」。２失策で大逆転を許すきっかけを作った川瀬を鮮やかに救って見せた。

　「明日からも気持ちよくやってほしいから」とお立ち台で語った柳田。同率で首位に並ぶ楽天とのマッチレースで、引き離されるわけにはいかない。