オリックス・中嶋監督代行「不安しかない」「本当に良い選手を使っていきたい」
オリックスの西村徳文前監督に代わって21日から指揮を執ることになった中嶋聡監督代行が21日、京セラドーム大阪内で就任会見に臨んだ。
就任への打診について「昨日の2軍の試合後に電話で。(福良GMから)“ちょっと、覚悟しとけよ”ということだった。正直、無理だと思いました」と話した。
福良淳一GMからは「立て直すという意味を込めて、新しくやりたい。そこに力を貸してくれということで」と伝えられたという。これに対して「不安しかないですね」と素直な心境を吐露した。
異例のシーズン中の昇格人事。
「何から始めていいのか、それのどこが問題なのか。全てを1日で把握するのは無理なので。今まで2軍でやってきたこと、自分の知っている戦力全てを把握して、もう1回、組み合わせたいなと思いました」
2軍監督の目線でチームをどんな風に見えていたかを問われると「言いにくい部分はたくさんあるんですけど。まだまだ自分本来の力を出し切ってない選手が多いなという印象でした」
最下位に沈む要因の一つに得点力不足がある。チーム打率の割に得点はリーグでダントツの最下位。
「そこはすごく苦労している部分だと思う。AJ(アダム・ジョーンズ)であったり、ロドリゲスであったり、今は調子を落としてますけども、最初の頃の状態で機能したら得点力は上がると思っている。まだまだ数字だけで言ったら、上げられる選手はいっぱいいると思います。本来、勝負強いバッターなので、そのあたりを出してくれたらなと思います」
両外国人の復調に期待を寄せた。
投手陣に目を向けると開幕投手の山岡がわずか2試合で離脱。苦戦を強いられてきた。
「山岡がいないのは1カ月ぐらいたっている。その間に出てきた選手もいるでしょうし、それも全てひっくるめて上がってきてくれることを期待します」
浮上のキーマンを問われると「全員です。2軍にもまだまだ選手がいますし、それを全部自分では分かっているつもり。本当に良い選手を使っていきたいと思います。若い選手を使いたい気持ちはもちろんあるんですけども、今いる選手がしっかりとした壁になって、それを越えたら使いたいと思います。ただ若いだけでは力は付きませんので。チャンスはもちろん与えますけども、それを越えられないのであればそこまでだと思うので。調子が良い選手を上げて、そこで使ったときに、この選手を越えたと思ったらレギュラーになれると思う。まだまだだと思ったら、もう1回ファームに行くべきだと思う」と若いだけでチャンスを与えることはせず、あくまで競争であることを強調するなど厳しい一面ものぞかせた。
今後、求められるのは育成と勝利の両立。
「そこに挑戦していくのが、われわれの仕事なので。どっちも取りに行きたいと思います。来年のことは僕はわからないので。先につながるように、やりたいです」
最後にファンへのメッセージを求められると「あまり僕に期待しない方がいいと思います。期待するのは選手にしてほしいなと思います。僕は、たいしたことないんで(笑)」と笑わせていた。
さっそく、2軍から大城、杉本を昇格させ、広沢、吉田一と入れ替えた。