狭山ケ丘 “帝京魂”で埼玉制覇!平澤監督 恩師・前田監督に「報告しようか迷う」

 「高校野球埼玉大会・決勝、狭山ケ丘5-2昌平」(23日、メットライフドーム)

 埼玉大会決勝がメットライフドームで行われ、帝京OBで就任3年目の平澤智太郎監督(29)が“帝京魂”を注入した狭山ケ丘が5-2で昌平を破って、夏の大会で初優勝した。神奈川大会決勝は甲子園交流試合に出場した東海大相模が9-5で相洋に逆転勝ちした。全国全ての代替大会が終了した。

 “帝京魂”が埼玉で息づいた。夏の埼玉の新王者として148チームの頂点に立ったのは狭山ケ丘。帝京OBで就任3年目の平澤監督は歓喜のナインを迎え、目を潤ませた。

 「優勝する、ナンバーワンになる練習をするんだと言ってきた。賛否あったし、毎日の練習はつらく厳しいものだったが、選手がよくついて来てくれた」

 8強の壁をなかなか突破できないチームに叩き込んだのは、帝京・前田三夫監督(71)仕込みの「一球が負けにつながる勝負の怖さ」だ。日本ハム・杉谷と二遊間を組んだ3年夏は甲子園に行けず、それをかみしめた。

 一回に先制打を放った正高奏太主将(3年)は「秋から冬にかけてのランニングは全員が(目標をクリア)できないと終わらない。ゲーム形式の打撃練習ではミスすると仲間から厳しい声が飛ぶ。そういう練習を積み重ねてきました」と自信をみなぎらせた。

 恩師の前田監督が率いる母校が9年ぶりに東東京を制した夏に、新米監督として続いた。「前田監督に報告しようか迷っています。ここで満足して電話してくるなと言われそうで…」と平澤監督。9月には来春センバツにつながる秋季大会が始まる。レギュラーの2年生2人が残る。「ここで引き締めて、新チームも同じようにしたい」。春夏通じて初の甲子園へ、青年監督は妥協を許さない。

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