「ヤクルト４－８巨人」（２５日、神宮球場）

　巨人・菅野が“鬼門”の神宮で笑った。投げて、打って、圧倒的な活躍でチームの連敗を３で止めた。球団史上開幕投手からの９連勝は、１９３８年春のスタルヒン以来、８２年ぶり２人目の快挙。並んでいた斎藤雅樹を抜き、感慨に浸った。

　「斎藤さんの記録は一つも抜けないと思っていたので、一つ抜けてうれしいです。ここまできたら勝てるところまで勝ちたいです」

　初回に４安打を浴びて２点を献上。「やっぱり厳しいのかな…」と気持ちが切れかけた。神宮は２年前のＣＳでノーヒットノーランを達成した場所だが、レギュラーシーズンでは４年以上勝ち星から遠ざかる魔の球場。それでも、絶対的エースは鮮やかによみがえった。

　早打ちの燕打戦に対してフォークをカウント球に使い、三回途中からパーフェクト投球。女房役の大城が勝ち越しの中前適時打を放った七回は、自らも左中間を破る３点適時二塁打。「まぐれだと思うんですけど」と苦笑いを浮かべ、両手に残る感触を確かめた。

　原監督は開幕から４度、連敗ストップに貢献している右腕を「逆境の時に勝ってくれるのはチームにとって大きい」と褒めたたえた。レジェンドへの道をひた走る背番号１８。“負けない男”がいる限り、巨人軍の首位は揺るがない。