西武・内海743日ぶり復活勝利「ようやくライオンズの一員となれた」
「ロッテ2-4西武」(2日、ZOZOマリンスタジアム)
勝利の瞬間を見届けて、それまで硬かった表情がゆるんだ。西武・内海哲也投手(38)は「勝つことを信じて応援していたので、最後、アウトになるまで気が抜けないなと必死に応援していました」。5回2安打無失点の好投で移籍初勝利、18年8月21日のDeNA戦(横浜)以来、743日ぶりの白星を飾った。
「素直にうれしいです。5回しか投げなかったので、バッター陣と後を投げたピッチャー陣に感謝したいです」。笑顔も見せた久しぶりのお立ち台。チームメートへの思いを口にした。
アクシデントによる降板だった。「最後は両脚のハムストリングをつって降板してしまいましたが、先発投手として次はこのようなことがないようにしたいです」とコメントしていた。
往年の投球術は健在だった。130キロ台中盤の直球に多彩な変化球で緩急自在。五回2死まで無安打に抑える好投だった。
「先頭バッターへの四球が2回あってリズム良くないなという立ち上りだったんですが、調子も良くなって。5回しか投げられなかったけど良かった思います」とこの日の投球を振り返った。
内海は18年まで巨人で通算133勝。同年オフにFA宣言で巨人が獲得した炭谷の人的保証として西武に移籍した。19年は左前腕部の肉離れのため1軍登板はなし。オフの手術を経て、今年8月22日のオリックス戦で移籍初先発し、6回3安打4失点で負け投手となっていた。
「去年、人的保証で入って期待されてきたんですけど何にも活躍できず、1軍登板もできず…」と悔しかった1年を振り返り、勝利の味をかみしめた。
苦労を経て、手にした743日ぶりの白星。「ようやくライオンズの一員となれたと思います。これから活躍できるようにがんばっていきます」。引き締まった表情でウイニングボールを手に誓う。“西武・内海”の第一歩を刻んだ。