早大・早川17K 最速152キロ!2安打完投 阪神スカウト絶賛「トップクラス」

 「東京六大学野球、早大7-1明大」(19日、神宮球場)

 まさしく圧倒した。今秋ドラフト1位候補で最速155キロ左腕の早大・早川隆久投手(4年・木更津総合)が1失点完投。初回1死から中前打を浴びて以降、九回2死まで走者すら許さず。歴代8位タイとなる17三振を奪った。バックネット裏に集結した12球団スカウト陣にも強烈な印象を与える快投。ドラフトの目玉として貫禄すら漂ってきた。

 淡々と、普通のことのように抑えていく。27アウトのうち17個を三振で奪いながら、早川は「調子自体はそこまで良くなくて」と言ってのけた。「調子どうこうというよりは低めに丁寧に投げようと意識した結果」という自己評価にこそ、大学ナンバーワン投手のすごみが表れている。

 この日最速152キロを計測した直球とともに、「カットボールがうまく機能している」と相手打線を手玉に取った。三回から四回2死まで5者連続奪三振と寄せつけず。120キロ台のカーブも織り交ぜ、試合を支配した。

 好敵手の存在も大きかった。明大の先発は同じくプロ注目の入江大生投手(4年・作新学院)。侍ジャパン高校代表ではチームメートで、よき戦友だ。「(いつか投げ合えるよう)お互い頑張ろうということで」。大学進学後、ともに先発として投げ合うのは初めてだった。

 「(プレーボール前の)整列したときから入江の目つきというのがすごい違っていたので。そういう面では自分もそこで受け身になってしまうと、押されてしまうなと」。16年夏の甲子園・準々決勝では、当時野手だった入江に先制ソロを浴びて敗戦。以降、ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた。

 ドラフト上位候補の競演に集まった12球団スカウトは早川の投球に驚嘆した。阪神は和田TAら5人態勢で徹底チェック。畑山統括スカウトは「カットボールで投球の幅も広がっている。(大学生では)トップクラス」と絶賛した。

 文句なしの内容で開幕星をもたらしたエースに対し、小宮山悟監督(55)も手放しで称えた。「あれだけのボールを投げられるということで。自信を持ってマウンドに送り込んでいるので。無双状態」。世代最強投手として大学ラストシーズンを駆け抜ける。

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