ヤクルト・石川 12人開幕投手唯一勝ちなし「喉から手が出るほど勝ちがほしい」
「中日3-0ヤクルト」(22日、ナゴヤドーム)
小さな背中に、重たい1敗が刻まれた。無援に泣いた97球。ヤクルト・石川が6回2失点で試合は作った。それでも白星には届かない。開幕からはや3カ月。「喉から手が出るほど勝ちがほしい」。12人の開幕投手の中で、唯一いまだに勝ち星なし。9戦目でも勝てなかった。
工夫して臨んだ舞台だった。1球ごとにプレートを踏む位置を変え、クイックでも投じた。40歳を迎えても変化することを恐れない。四回にアルモンテに先制弾を許し、五回にも失点を喫したが、傷口は最小限にとどめて援護を待った。
だが、チームは今季5度目の完封負け。5敗目を静かに受け止め、前を向いた。登板前にはこう話した。「逆境を楽しみます」-。うつむく時間はない。投手陣の柱として走ってきた19年。苦しくても、悔しくても、ここで立ち止まるわけにはいかない。