近大・佐藤は規格外!「ただ打ちたい」無名からドラ1候補へ 希望球団は「どこでも」
阪神や巨人などが今秋ドラフト1位候補に挙げる近大・佐藤輝明内野手(4年・仁川学院)が、デイリースポーツの独占インタビューに応じた。関西学生野球秋季リーグでは、巨人・二岡智宏3軍監督(44)が持つ13本塁打という現行のリーグ戦の通算本塁打記録にあと1本に迫るスラッガー。高校時代は無名だった男が、自信と共に歩んで来たここまでの道のりを振り返り、プロへの意気込みを語った。
いわゆる、野球エリートではない。上位指名される選手には、高校時代に「甲子園」という目標をモチベーションに自身を磨くことで、プロ野球という道につながっていく形が多いが、佐藤は違った。ただ野球が好きで、遠くに消える打球に喜びを覚えた毎日。そこにロマンがあった。
「(モチベーションは)ただ打ちたかっただけじゃないですかね。やっぱり試合に出ると楽しいので、それ以下もそれ以上もないというか、ただ打ちたいから練習してました」
過去に甲子園出場実績がない仁川学院の出身。実際、「有名校と試合することはなかったですよ。あってもBチームというか1・5軍とかとの試合ぐらいで」と笑う。そういった環境もあってか甲子園にも「正直そんなに興味はなかったですね。高校野球ですごいなあとかはあまり思ったことはなかった」と特別な感情も抱かなかったという。
近大・田中秀昌監督は「少し見ただけですごい選手だと分かりました」と初めて佐藤を見た記憶を語る。近大でも順調に成長。規格外の飛距離がゆえ、練習から場外弾を連発し、近くの民家に飛び込むことが増えた。危険を考え、昨年2月から山側のもう1つの球場に場所を変え、山の茂みへと放物線を描く。
希望球団はなく「どこでもいいです」と話すのは、プロ野球に入ることが目標ではないから。元々の素質もあるだろうが、強豪校出身でなくても、白球への純粋な思いと前向きな自信を支えにここまで来たところに夢がある。西宮が生んだアーチストは限界知らずの野球人生を突き進む。