近大・佐藤を独占インタビュー「プロでもバリバリやっていく自信しかない」

 阪神や巨人などが今秋ドラフト1位候補に挙げる近大・佐藤輝明内野手(4年・仁川学院)が、デイリースポーツの独占インタビューに応じた。関西学生野球秋季リーグでは、巨人・二岡智宏3軍監督(44)が持つ13本塁打という現行のリーグ戦の通算本塁打記録にあと1本に迫るスラッガー。高校時代は無名だった男が、自信と共に歩んで来たここまでの道のりを振り返り、プロへの意気込みを語った。

  ◇  ◇

 -ドラフトも迫って注目が高まっている。

 「そういう立場というか、注目されているのは分かっているので、あまり気にはならないです。たまに、どんなふうに見られているのかというか、自分を検索したら自分の動画とかを載せてくれていたりするので、それを見たりはします。周りがどうこう言ってるとかは、興味ないというか気にしません」

 -ホームランが魅力だが、飛距離は昔から?

 「小学校の時は割とホームランを打っていましたが、中学の時は当たったら飛ぶかなぐらい。高校でウエートを始めてからすごく変わりました」

 -元々体が大きかったわけではない?

 「高校入学の時はかなり細くて177センチ、65キロくらいでした」

 -今と比べて身長は10センチ弱、体重が30キロほど増えた計算になる。

 「高2の秋ぐらいにウエートを始めた時に、野球をやるならプロというものを目指さないといけないかな、と思って。何か変えないといけないという一つで、ウエートをやり始めて一気に筋力が付いて体重が増えて、打球が飛ぶようになったので。高校通算は20本ですが、その内3分の2ぐらいはウエートを始めてから打った感じでしたね」

 -仁川学院は決して強豪校ではない中、甲子園を目指すことは?

 「目指していると建前では言っていましたが、正直そんなに興味はなかったです。高校野球で、すごいなとかはあまり思ったことはなくて」

 -何を目標に、なぜ成長できたと思いますか?

 「ただ打ちたかっただけじゃないですか。やっぱり試合に出ると楽しいし、それ以下もそれ以上もないというか、ただ打ちたいから練習していました」

 -小学1年で野球を始めた頃の憧れは?

 「その時、イチロー選手が全盛期で好きでしたし、メジャーリーグが好きでした。朝に試合をやっているのを見て学校に行ったり、夜もメジャーの情報番組も見たりしていました」

 -その時からプロ野球選手が夢だった?

 「その時はあまり考えたことはなかったです」

 -タイガースジュニアでもプレーしていたが、地元の阪神の試合を見たことは?

 「甲子園には何回も見に行ったことがあります。誰がいたとかはあまり覚えていなくて、雰囲気を楽しみに行っていたというか。地元ですし、身近なチームではあったので」

 -野球を辞めたいと思ったことはない?

 「ないですね。小学校も中学校も楽しかったので、楽しくなかったらやっていない。強豪校の選手を見ても引け目を感じたことは全くなかったですね」

 -ケガでプレーできない時があっても?

 「小学校の時に肘をケガして野球ができなかったので、ずっとサッカーをしていて。その時は野球よりサッカーの方が好きで楽しかったですね」

 ーサッカーをやる選択肢もあった。

 「高校も野球部に入るか、サッカー部に入るか迷って。今までやってきたから野球かなというので野球部に入りましたが、空いている時間があれば、サッカー部のヤツととりあえずサッカーをするという感じで。フォワードで点を決めるのがとにかく楽しかったです」

 -もし、野球をやっていなかったら?

 「やっぱりサッカーをしていたんじゃないですか。好きだったので。結構自信はあったので、もし高校でサッカーをやっていたら、Jリーグに行っていたんじゃないかなと思います(笑)」

 -高校時代はほぼ無名の存在だった。

 「少しだけスカウトの方も見に来られていたみたいですが、実際に獲得するとかはなかったと思います」

 -高校時代にプロ志望届を出す選択肢は?

 「そういった話があれば、出していたと思います。昔から自信はあったので。高校時代も(練習を)やったら自分は(プロに)行けると思っていて、だからやろうと。謎の自信が今もあります(笑)その中で、レベルの高い大学でやりたいなと思っていて、ご縁あって近大に入れて、運は良かったと思います」

 -大学進学後に伸びたところは?

 「打撃フォームは変わってきていますし、昔よりもムダはなくなってきましたね」

 -以前、12球団OKという話はしていたが、プロでもある程度はやっていけると。

 「ある程度というか、バリバリやっていく自信しかないです。それがなかったら、ここまで野球をやっていなかったと思います。挫折も全くないですね。打てないのは今の自分の実力がないだけで、練習すればいけると」

 -限界を決めない?

 「たぶん、野球を辞めるまで限界を感じることはない。感じたら辞めると思います」

 -プロではどういう選手になりたい?

 「走攻守がそろう選手ですが、自分の場合は特に、打たないと始まらないと思うので。そこが一番見られていると思いますし、全てにおいて高いレベルでやれれば」

 -例えばトリプルスリーを狙うとか。

 「そうですね。ゆくゆくはそういう選手になれればいいかなと。自信はあります」

 -最後に、大学のリーグ戦では本塁打のリーグ記録もかかるが。

 「記録はあまり気にしないです。自分が打ってチームが優勝できたら、それが一番いいことなので」

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