中大・牧3安打で猛アピール 阪神・和田TA絶賛「打つべくして打っている」
「東都大学野球、立正大3-1中大」(29日、神宮球場)
亜大、立正大、国学院大がそれぞれ勝利した。昨秋の王者・中大は立正大に敗れたが、今秋ドラフト上位候補の牧秀悟内野手(4年・松本第一)が今季初安打を含む3安打の固め打ち。阪神など複数球団のスカウトを前に、巧みなバットコントロールを披露した。
打席での駆け引きが見事にハマり、次々と快音を響かせた。牧は初回2死一塁から中前打。外角への配球が多いという相手投手のデータを生かし、「狙いを絞って打とう」と外角の直球を鮮やかにはじき返した。
今季初めてスコアボードにHランプをともすと、勢いづいた。四回1死では「1打席目のヒットが真っすぐだったので。もしかしたら変化球が多くなってくるんじゃないかな」とスライダーを捉え、三遊間を破る左前打。六回2死からも「たまたまというか反応で」と緩い変化球を引きつけて左前へ運んだ。
すでにNPBスカウトの間でも、確固たる評価を得ている。視察した阪神・和田TAは「打つべくして打っている。下半身がどっしりとしていて、低めの変化球を拾う打ち方がいい」と上位候補としての実力を認めた。3年時には侍ジャパン大学代表の4番を担い、パンチ力と勝負強さは折り紙付きだ。
「力んでいた」と無安打に終わった22日の東洋大戦からきっちりと打撃を修正し、主砲として結果を出した。「すごい状態はよくなってきているのかなと思います」。プロでも貴重な強打を誇る右打ちの内野手。10月26日のドラフト会議で、1巡目の12人に入っても不思議ではない存在だ。