ヤクルト・石川 やっと勝った!12球団開幕投手大トリ初星「恥ずかしいが良かった」
「DeNA3-5ヤクルト」(30日、横浜スタジアム)
ヤクルト・石川はベンチの最前列で祈るような表情を浮かべていた。2点差に迫られた九回裏、守護神・石山が倉本を三振に仕留めると、ベテラン左腕はチームメートに囲まれ満面の笑みを浮かべた。12球団の開幕投手で大トリとなる今季初勝利。「この時期に初勝利なんて恥ずかしいが、良かった。一つ勝つって難しい」と実感を込めた。
130キロ台半ばの直球と、130キロ台前半で曲がり方が異なるシュートとカットボールを操って打ち損じを誘った。5-0の三回に先頭・倉本に初安打を許したが、続く上茶谷を投ゴロ併殺に仕留め、五回までは1安打で無失点。六回2死から連続適時打を許して交代するまで粘り強く投げた。
開幕から2試合続けて勝利投手の権利を持って降板しながらチームが逆転負け。7月中旬からは故障で1カ月以上、戦列を離れた。「その間に僕もへこむことがあった。でも妻と2人の息子が明るく接してくれて、チーム石川家で戦ってきた。勝利をプレゼントできて良かった」と家族の支えを糧に、気持ちを奮い立たせてきた。
入団から19年連続となる白星は、球団史上3人目の40歳代勝利というメモリアルな1勝。6月19日の開幕から約3カ月半-。10試合目でたどりついた現役最多の172勝目は、未曽有の戦いを乗り越えてつかんだ。