オリックス宮城 高卒新人投手一番乗りデビュー プロ初先発5回2失点も初勝利お預け
「オリックス9-2楽天」(4日、京セラドーム大阪)
上々だ。プロ初勝利こそならなかった。それでも快投でチームの逆転勝利につなげた。オリックスのドラフト1位・宮城(興南)がプロ初登板初先発。「緊張しました」。高卒新人投手一番乗りのデビューマウンドは格別だった。
「ヤバい…」。いきなりの“難所”だった。初回、小深田、田中和の1、2番に連打され無死一、二塁。ただ4番・浅村をフルカウントから147キロの直球で空振り三振に封じるなど後続を寸断した。5回7安打2失点。ロッテ・佐々木朗やヤクルト・奥川、阪神・西純より早くたどり着いた1軍の舞台を次につなげたい。
生後8カ月のころ、初めて買い与えられたオモチャは100円ショップのプラスチックのバットとボールだった。「家が貧しく、野球用具以外買ってあげた記憶はないんです」と父・享さん(52)。物には恵まれなかった。
本格的に野球を始めた4歳の時に両親から贈られたのは安価のビニール製グラブ。亨さんが、温めて柔らかくしようと、電子レンジに入れたら溶けて大泣きした。それからしばらくは先輩たちの使い古しを借りてプレー。小5の時に買い直してくれたグラブは中学卒業まで使った。
観戦に来てくれた両親に次こそ初勝利を届けたい。この日のマウンドを「悔しいところもあったので修正していかないと」と振り返った宮城。出身校の沖縄・志真志小にはプロ入りを祝した記念碑が建てられた。期待を一身に受けて琉球から来たサウスポー。故郷の思いにマウンドで応えていく。