公立校の山田が履正社を撃破 「130キロ出るかどうか」エース・坂田が1失点完投

 「秋季高校野球大阪大会・3位決定戦、山田2-1履正社」(4日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 公立校の山田が、3位決定戦で昨夏甲子園王者の履正社に逆転勝ちし、創部初の近畿大会出場を決めた。エースの坂田凛太郎投手(2年)を筆頭に、最後まで堅い守備で粘り抜いた。近畿大会でもミラクルを起こし、初のセンバツ出場を目指す。決勝は大阪桐蔭が東海大仰星を圧倒し、秋季大会連覇を果たした。

 無名だった公立校が大躍進を遂げ、創部37年目で初、公立校では94年の市岡以来26年ぶりとなる近畿大会出場をつかみ取った。

 「投げてる時は、正直(勝つとか)それどころじゃなかった。今もまだ実感はないですが、とにかくうれしいです」

 粘りの投球でチームをけん引してきたエース・坂田が、強敵・履正社を相手に9回6安打1失点と奮闘。「130キロ出るかどうか」という直球を決め球に、思い切って力を抜くカーブやカットボールなどの緩い変化球で翻弄(ほんろう)した。

 そんなエースの力投に、女房役の横田那音捕手(1年)が応えた。1点を追った九回1死二、三塁。フルカウントからの直球を強振。左越えに決勝打となる2点適時二塁打を放ち「ベンチで泣いてる人もいて、自分も泣きそうになりました」と照れ笑い。浪速や大産大付など格上の私学を次々と撃破して一戦一戦、確実に強くなってきた。

 満足とはいえない環境を乗り越えた。グラウンドは7つの部で共有しているため、内外野の連係プレーは行えず、フリー打撃も週1回の早朝練習時に、人がいないタイミングを見計らって、飛びすぎないように竹バットを使用している。金子恭平監督(41)は「ようこんなところで、という中でやってきた。夢の中というか…信じられない。彼らには感謝です」とナインを称えた。

 次に見据えるのはセンバツだ。「行ってみたい」と口をそろえたバッテリー。大阪に新たな旋風を巻き起こした山田が、また奇跡を起こしてみせる。

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