明大・入江 初完投初完封!自己最多の13K「素直にうれしい」
「東京六大学野球、明大4-0法大」(11日、神宮球場)
26日のドラフト会議まであと2週間に迫る中、学生野球の聖地で東京六大学の逸材たちが躍動した。今秋ドラフト上位候補で最速153キロ右腕の明大・入江大生投手(4年・作新学院)がリーグ戦初完投初完封。
会心の127球だ。明大・入江は九回2死二塁から最後の打者を遊ゴロに仕留めると、グラブを一度たたいた後でかみしめるように右拳を握った。「素直にうれしいです」。明治のエース番号「11」を背負う使命をようやく投球で体現した。
左打者を6人並べてきた法大打線に対し、「自分の球はちょっと左バッターの外に逃げる」とスプリットが効いた。要所ではこの日最速150キロの直球。終盤に雨が強くなろうとも、崩れず自己最多の13奪三振に斬った。
心は熱く、頭は冷静に-。課題は分かりきっていた。大事な試合となるとどうしても力が入り過ぎてしまう。「同じミスをしないように」と誓ったマウンドだった。調整では脱力がテーマ。「投げて力を抜く感覚を覚える」と、シート打撃でもブルペンでも自分に言い聞かせて準備した。
大胆さも奏功した。「何か変えないと新しい結果が生まれない。力を抜く、省エネで投げるってなったら、自分の中でセットポジションだったので」。普段のノーワインドアップを封印し、一人で投げ抜いた。
快投で阪神など11球団のスカウト陣に強烈な印象を残した。3度目の視察だったヤクルト・小川GMは「きょうが一番いい。安定感もあるし、ポテンシャルが高い」と高評価。一皮むけた右腕の人気が高まりつつある。