ロッテ・井上がサヨナラ打に号泣「期待に応えられなくって、どうしても応えたくって」
「ロッテ4-3楽天」(13日、ZOZOマリンスタジアム)
ベンチ総出の祝福を受けて、涙が止まらなかった。ロッテが九回1死一塁、7番・井上が右中間を破る一打を放ち、福田秀が一塁から生還。劇的なサヨナラ二塁打を放った巨漢は号泣で思いを表現した。
「もう、いま、感触とか覚えていないです」。ヒーローインタビューでも、まだこみ上げてくるものがあった。「期待に応えられなくって、どうしても応えたくって」と話すと言葉に詰まった。数秒の間を置いて「どうしても打ちたかったので、何とかしました」と涙声で話した。
9月は月間打率・235、0本塁打。10月に入っても調子は上がらず、月間打率・200、1本塁打だった。打順は7番。この日も五回1死三塁の好機に三振するなど、3打席無安打で迎えた九回の打席だった。
時間が経つにつれて、少しずつ平静を取り戻す。打った感触を再び聞かれると、「いま冷静に考えると、秀平さん、走ってくれたので、それでいっぱいです」と一塁から生還した福田秀への感謝の言葉を口にした。
二回までに3点を失う劣勢から、六回から1点ずつ重ねて、八回に同点に追い付いた。ベンチの雰囲気を「明るい雰囲気できょうの試合を勝ちに行くつもりで、みんな声を出していた。いい雰囲気でした」と逆転勝利を生む空気があったことを明かす。
「きょうはちょっと自分の私情を持ち込んでしまい、すいませんでした。やっぱりここで打てて良かったです」とファンにあいさつ。「最終的にこういった形で勝てるようにこれからもがんばっていきます。引き続きよろしくお願いします」と約束した。
井口監督は「最後、打つべき人が打ってくれた。あしたも期待したい」と頼みの大砲復活を願った。