「ソフトバンク１－４西武」（２４日、ペイペイドーム）

　敵地の悲鳴を切り裂き、白球は左中間スタンドに突き刺さった。西武・中村が自らのプロ野球記録を更新する通算２１本目となる８号満塁本塁打。首位ソフトバンクの連勝を止めた。

　０－１の八回１死満塁。ナインが必死につないだ絶好機で「満塁男」に打席が回った。この場面で相手ベンチはモイネロから３番手岩崎にスイッチ。「何も意識せず、自分の打撃をしようと打席に入った。（岩崎は）直球もすごいし、フォークもいい投手。少し打つゾーンを高めに設定した」。４球続いた直球が高めにくると、きっちり仕留めた。

　今季は打率１割台に低迷も「今日みたいな打撃というかスイングできれば、もうちょっと打てると思う」と、復調の手がかりも得た。

　この勝利で２５日、ソフトバンクの目前での胴上げも阻止した。中村は「目の前の試合に勝つことにこだわっていけば、いい結果につながると思う」と力を込めた。ＣＳ圏内の２位ロッテとはついに２ゲーム差。何かが起きる予感が漂う。