中日・福谷に見た「勝てる投手の条件」中田良弘氏の視点
「阪神4-1中日」(27日、甲子園球場)
阪神が接戦を制して勝利。リーグ優勝の可能性が完全に消滅する目前で、意地を見せた。2位の中日は3位の阪神に2ゲーム差に詰められた。
阪神・青柳、中日・福谷の両先発が好投したこの試合。序盤から安定していた青柳に対し、福谷は初回からピンチを招き、二回には木浪に先制ソロを許すなど、苦しい立ち上がりだった。しかし結果は7回7安打1失点、9奪三振。この投球内容から、元阪神投手の中田良弘氏(デイリースポーツ評論家)は福谷の資質を感じ取った。
「福谷の球威や球の質そのものは序盤からよかった。ただ、高めに抜けたり、コントロールが安定していなかった。二回までに4四球だからね」
しかし三回以降は徐々に制球が安定し始め、追加点を許さなかった。
「試合の中で修正していったよね。制球が不安定のまま崩れるんじゃなく、途中からは低めにしっかりと集め始めた」
三回以降は走者を背負いながらも要所を締めて無失点。四死球を与えることもなかった。
「ここまで7勝2敗と白星が先行しているのもうなずける。修正能力が高いということは、勝てる投手の一つの条件でもある。来季以降も他球団にとっては手ごわいローテーション投手となりそうだね」
この試合は八回から登板した福が自らの失策などもあって自滅。阪神が3連勝を決めたが、先発投手の投げ合いは互角と言える内容だった。