巨人連覇の道開いた4件のトレード 大塚副代表「主力選手を安住させてはいけない」
巨人が2年連続38度目のリーグ制覇を果たした。今シーズンは4件のトレードを成立。チームを活性化させ、連覇への道を切り開いた。昨年リーグ優勝を果たしながら、どこの球団よりもあくなき補強に動いた背景は。大塚淳弘球団副代表(61)に語ってもらった。
周到な準備がリーグ連覇へと導いた。コロナ禍で自主練習期間が長く続いたことを受け「実戦不足、過密日程で例年以上に故障者が出ると判断し、崩れる前の4月上旬までに徹底的に他球団の情報を入手した」。調査が実り、実績がありながら、出場機会のないウィーラー、高梨といった選手を獲得できた。
大塚副代表はトレードの大きな目的は3つあるという。自チームの戦力補強と出場機会減の選手を他球団で生かす道を探す。そして、なにより自球団の競争の活性化。「レギュラーを脅かす選手がいないとチーム力は落ちる。チーム力維持には主力選手を絶対に安住させてはいけない」。今季、復活を果たした中島などはウィーラーの活躍が刺激になりリーグ制覇に貢献したいい例だ。
原監督からは補強に対する考え方を学んだという。トレード案を提示する編成担当に対しても、指揮官はその選手の特性を的確に答える。大塚球団副代表は「監督から『考えておく』という言葉を聞いたことがない。常に3歩も5歩も先を考えている。迷った末の後悔はチーム編成においてマイナスと知った」。“商談”はスピードが必要と、積極補強に動いた勝利でもある。
「ジャイアンツに縁があり入団してきた選手は球団の宝であり、私にとっては息子」と大塚副代表。補強が実ってのリーグ制覇に感激の様子だった。