各球団で「血の入れ替え」断行か 巨人14人、ヤクルト7人が戦力外 進む育成競争
プロ野球の戦力外通告期間が2日からスタートした。例年は通告期間が2つに区切られているが、今年は新型コロナウイルスの影響による変則日程で、日本シリーズ終了翌日(移動を伴うチームは翌々日)まで通しで行われる。
先陣を切って行った巨人は田原誠次投手、藤岡貴裕投手ら支配下4選手、育成10選手に通達。ヤクルトは実績のある近藤一樹投手を筆頭に、山中浩史投手ら7選手に来季構想外であることを伝えた。7選手はすべて投手。今後、野手を含めてさらに増える可能性についてヤクルト・小川GMは「今の段階では言えない」と、語るにとどめた。
オフに向けて、巨人・大塚副代表編成担当は「新しい道に行きなさいよ、と諦めさせるのも一つの使命かなと」と話し、チーム強化へ「やっぱり血の入れ替えは必要」としていた。第一弾として、予告通りの大量戦力外となったが、今年は各球団で「血の入れ替え」を断行する可能性は高まっている。
昨季のドラフトでは育成33名を含めた107名がプロ入りしたが、今年は育成49人を含めた123名に増加した。セ・パ両リーグで育成選手制度をうまく利用して選手層が増した巨人、ソフトバンクが優勝。巨人では15年、当時の球団幹部が「これからは育成の争いになる」と予言していた通り、球界全体で若手育成に舵を切る傾向が強まっている。
一方で新型コロナウイルスの影響で多くの選手が体調管理に苦しみ、「不完全燃焼」となったシーズン。小川GMは功労者でもある近藤、山中の戦力外について「本人たちは現役ということは言っていた」と話すように、ベテランが現役続行を選択するケースも多く、阪神では福留、能見、上本が、ソフトバンクでは退団が発表された内川も他球団でのプレーを希望するとみられる。
コロナ禍で揺れ続けた、異例のシーズンオフ。各球団の動き、決断に注目が集まる。