光星学院の元監督・金沢成奉氏 3年間は僕と坂本との“戦争” 高校時代を振り返る
「巨人3-5ヤクルト」(8日、東京ドーム)
巨人・坂本の通算2000安打達成に際し、光星学院時代の恩師で現在は明秀学園日立で監督を務める金沢成奉氏(53)がデイリースポーツに手記を寄せた。ダイヤの原石だった坂本の高校時代を振り返る。
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勇人おめでとう!まさか2000安打を打つような選手になるとは…。よう頑張ったと思う。でも、まだ通過点。今までやってきたことを忘れずに、これからも自分のスタイルや野球の考え方を貫き通していってほしい。
中学3年の8月に初めてプレーを見て、瞬間的にプロに行けると感じた。入学してからは…ほんまにやんちゃ坊主。僕がクラスの担任もしていたから息苦しかったと思うけど。勝手に席替えをしていたり、寝ていてもバレにくい所に移動していたり(笑)。週に一度は職員室に呼んで説教した。
「野球以外のところに問題があると一流になり切れないぞ!」とずっと伝え続けた。「辞めます」と言って実家に帰った後は親父さんに電話して、キャプテンの子にも引き留めるように頼んだ。「野球で花を咲かせるんじゃなかったのか?」と。戻ってきた時も申し訳なさそうな顔ではなかったけどな…(笑)。あいつの高校野球が1年遅れで始まった。
3年間は指導という感じではなく、僕とあいつの戦争。指導者と生徒ではあるんやけど、一歩も譲らない反骨心のようなものがあった。今では年に1、2回飲みに行く。酔っぱらって電話をかけてくることもあるな(笑)。
10月30日。プロに入ったあいつの試合を初めて見に行った。何か負けへんぞっていう気持ちがあって、見たいと思ったことがなかったんやけど。今回は2000安打を見込んでね(笑)。名球会に入るんか…。信じられへん。ほんますごいよ。