楽天・石井GMが「全権監督」兼務で就任 三木監督は2軍監督へ配置転換
楽天は12日、来季の監督・コーチを含めた新体制を発表し、石井一久ゼネラルマネジャー(47)が来季監督に就任することが決定した。楽天生命パーク宮城でオンラインによる会見が開かれ、立花陽三球団社長(49)は石井新監督と新たに複数年契約を結び、GM職と兼務の「全権監督」となることを明かした。三木肇監督(43)は2軍監督へ配置転換となる。
異例づくしの新監督が誕生した。引き締まった表情で会見に臨んだ石井新監督。「GMに就任した時から、僕の使命はこのチームを常勝チームに、骨太のチームにすること。それが大事だと肝に銘じてきた。監督になってもそこのスタンスは変わらずやっていきたい」と強い覚悟を示した。
就任1年目の三木監督が指揮した今季、チームは8月以降に失速し、55勝57敗8分けの4位でCS進出を逃した。三木監督続投案と並行して、新監督での体制も検討される中、GMとしてチームを熟知する石井新監督に白羽の矢が立った形だ。
シーズン終了から2日後の9日にオファーし、11日に要請を受諾というスピード感で石井監督誕生に至った。
18年9月から就いたGM職から監督への転身も異例だが、さらにGM職も兼務する「全権監督」のオファー。当然、受諾への葛藤がなかった訳ではない。
「中途半端になるんじゃないか、しっかりと責務を果たせるのか。しっかりと向き合う覚悟を持つこと、いろいろなことを考えた」という。最後に決断への背中を押したのは今も胸に残る光景だ。
11年の東日本大震災を経て、13年に復興を告げる日本一を達成した楽天。「本当に忘れることのないシーン。あの景色をもう一度、東北のみなさんに見せたい。それがなければこの職(GM)に就いていない」と明かす。
監督受諾に際しても「やるからにはそこを目指したい。最終的に、その部分が背中を押してくれた」と挑戦の道を歩むと決めた。
16日から始まる秋季練習で石井監督率いる新体制がスタートする。「打ち勝つ野球、守り勝つ野球、どんな野球にも対応できるチームを作りたい」。東北に再び歓喜の瞬間を-。指揮官が抱く固い信念とともに、新生・楽天がスタートする。