【谷佳知氏の眼】巨人を上回るソフトバンクの選手層
「日本シリーズ・第1戦、巨人1-5ソフトバンク」(21日、京セラドーム大阪)
ソフトバンクが投打に圧倒した第1戦だった。巨人も選手層は厚いのだが、それを上回る選手層の厚さをまざまざと見せつけた。
その象徴が、栗原だった。先制打と、ダメ押しのような中押し打。まさに栗原一人で勝ったようなものだ。菅野が今年初めて京セラドームでの登板という影響もあったかもしれないが、一回、二回と球が高めに浮いていた。栗原の二回の先制2ランは、その甘く入った変化球を完璧に捉えたものだ。
栗原の打撃でいいのは、引っ張りもできて、逆方向にも打てるところ。六回の2点適時二塁打は、2ボール1ストライクと打者有利のカウントとなり、菅野がストライクを取りに来る、しかも外角に来るだろうと読んで打ったもの。“読み勝ち”の一打だった。
九回に二塁打を放った牧原を見ても分かるが、ソフトバンクの打者は“マン振り”というか、力負けしないスイングをする。これは菅野のような力強い球を投げる投手がパ・リーグには多いからだ。ソフトバンクの打線はとにかく隙がない。
巨人にとっては早くも正念場となった。第3戦からソフトバンクの本拠地に替わるだけに、第2戦は何としても巨人は勝って、タイに持ち込みたい。