岡田彰布氏 ソフトバンクと巨人の差は厳しい戦いをしたか否か

 「日本シリーズ・第4戦、ソフトバンク4-1巨人」(25日、ペイペイドーム)

 「SMBC日本シリーズ2020」は25日、ペイペイドームで第4戦が行われ、ソフトバンクが4連勝で巨人を破り、4年連続11度目の日本一に輝いた。1点を追う初回に柳田悠岐外野手(32)が逆転の1号2ラン、二回にも甲斐拓也捕手(28)が2号2ラン。史上初の2年連続スイープで頂点に立った。MVPには栗原陵矢捕手(24)が選ばれた。岡田彰布氏が今季の日本シリーズを振り返った。

  ◇  ◇

 ソフトバンクの4連勝で4年連続の日本一が決まったわけだが、初戦で作った流れを一切、巨人に渡さなかった。この日も、相手に主導権を渡さないという強い意識が継投からも感じられた。

 先発・和田を二回でスイッチしたのも、リードが3点に広がり、この試合を取りに行くという意思の表れだと思う。五回2死一塁で丸を迎えた場面では、松本からワンポイントで嘉弥真を投入した。流れが変わりそうなポイントで、打つべき最善の一手を打つ。短期決戦の経験もあり、厳しい戦いを勝ち抜いてきたからこそ、簡単に流れを渡さない。

 一方で巨人はすべてが後手後手に回った。3点を追う四回2死一塁から、岸田に代えて代打・大城で勝負をかけても良かったのではないか。次打者・増田大のところで、ネクストサークルには代打・亀井が控えていた。

 岸田と大城の打力を比較しても、大城の方が上位。勝負をかけて序盤で1点でも2点でも返しておかないと、3連敗した崖っぷちの状況でイニングが進むと苦しくなる。

 今年の巨人はほぼ独走状態でセ・リーグを勝ち抜いてきた。シーズン終盤に負けられない一戦、“まさに天王山”という勝負を経験していない。だから追い込まれると狂いが生じ、すべての面で後手後手に回ってしまう。

 もちろんソフトバンクのチーム力は目を見張るものがあるが、リーグとしてやっている野球のレベルの差も感じられる。高い位置で複数球団が競い合う状況にならないと、差は埋まらないと感じさせたシリーズだった。

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