“イチロー先生”あるかも?高校球児の指導を示唆「一緒に走って投げて」
米大リーグ、マリナーズなどで活躍したイチロー氏(47)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が26日、神戸市内で開催された日本新聞協会主催「第73回新聞大会」での記念講演に出演した。壇上では近い将来、高校球児を指導する可能性があることを示唆。今年2月には学生野球資格回復を認められており、“イチロー先生”として球児と走り回る姿が見られるかもしれない。
やはり喜々として野球を語った。特にイチロー氏がテンションを上げたのは、高校球界に関心があるかを問われた時。「近いうちに指導する姿?見られると思います。需要があっての世界。楽しみにしてもらわないと困ります」。改めて将来のビジョンに“高校球児の指導”を挙げた。
一緒に汗をかいて教えたい。「彼らと一緒に走って投げて。そういうアプローチは面白い」。共にプレーし、手本を示しながらの指導を理想に掲げる。
支障はない。既に高校野球の指導者になるために必要な資格回復を、日本学生野球協会から認定されている。「一日参加とかはない。何日か見て」。選手への指導は、“ゲスト参加”ではなく、時間を費やして行っていきたい考えだ。
自ら走って投げての指導にも不安なし。「現役の時よりキツいですね。トレーニングは」。現在も厳しい鍛錬は継続中。体力も球児に負けない。「球が速くなっちゃった」。47歳にして、衰えるどころか進化していることを明かした。
現役を退いた今、改めて高校野球のすごさに気付かされたという。「(メジャーは)どうやって点を取るかが見えない。高校野球は、それが詰まっている。頭を使ってます」。再確認した魅力は、プロにも見劣りしない作戦面の緻密さだ。
振り返ればMLBやNPBにも大きな影響が及んだ1年。新型コロナ感染拡大で、米国よりも日本で過ごす時間が増えているという。「炎天下の中でランニングを」と、今夏は皇居周辺をマラソンしたなど生活ぶりも紹介した。
携わる形が違っても、情熱は変わらない。「引退は選手としての“死の形”ですが、野球人としては野球が大好きなので何かお返しできたら」。見据えるのは球界発展にもつながる後進育成。日本の誇る世界の「ICHIRO」が高校球界へ目を向ける。