米大リーグのマリナーズなどで活躍したイチロー氏＝現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター＝が４日、甲子園常連校の智弁和歌山で臨時コーチを務めていたことが分かった。２日から和歌山市内の同校グラウンドで指導にあたり、３日目となったこの日が最終日。イチロー氏は自らが実演を行うなどして、精力的に初の高校野球指導に取り組んだ。

　練習には、智弁和歌山の前主将で、日本ハムドラフト４位の細川凌平内野手（１８）も参加。イチロー氏と２人一組になってフリー打撃を行い、間近で「えぐい」スイングを目の当たりにした。「本当に夢のようなというか、学ぶことしかない時間でした。保育園のころから大好きで、イチローさんのような選手になりたいとずっと憧れとして持っていたので、会えて指導を受けたりできて、本当に幸せでした」とレジェンドとの貴重な時間をかみ締めた。

　現チームの４番で、来秋ドラフト候補の徳丸天晴外野手（２年）は「イチローさんが発した言葉一つ一つが心に残るというか、重みがありました。この機会をいただいて、これを生かすのもこれからの取り組み次第だと思うので、春と夏、チームを勝たせられる選手になっていきたいです」と掛けられた言葉を胸に、高校ラスト１年に全力を注ぐことを誓った。