元阪神・伊藤隼太、現役続行へ望みの一打 思い出の地・神宮でドラ1の意地見せた!
プロ野球12球団の合同トライアウトが7日、神宮で開催され、現役続行、復帰を懸けて元虎戦士6選手らが参戦した。阪神から戦力外通告を受けた伊藤隼太外野手(31)は4打数1安打とアピール。右中間を破る二塁打を放ち、2011年度ドラフト1位の意地を示した。
隼太らしい、高々と舞い上がる打球を飛ばした。無安打のまま迎えた第3打席。カウント1-1から始まる初球、甘く入った110キロを逃さなかった。「マン振りのかたちで」と完璧に捉え、右中間を深々と破る二塁打。二塁ベース上では感情を抑えていたが、「やっぱり一本を出したかったので。ほっとしました」と心の中で安どした。
価値ある一打だ。快音を響かせた相手は巨人を戦力外となった田原。実績十分の変則右腕から長打を生み出した。独特の雰囲気の中で安打はこの1本のみながら、「肩の荷が下りました」と終了後ににじませたのは充実感。持ちうるすべては出し切った。
なじみの深いグラウンドも後押ししてくれた。舞台となったのは神宮球場。慶大時代、主戦場だった場所だ。「学生時代、ここでプレーして、ここで育ててもらったという気持ちがあるので」。ドラフト1位を勝ち取るなど思い出の詰まった原風景。「力になったんじゃないかな」と汗を拭った。
「やることをやったので。ちょっとゆっくりして現役続行に向けてしっかりと体を動かしたいと思います」。慌てず騒がず、あとは吉報を待つのみ。まだまだ終われない。あくまでもユニホームを着続けることにこだわっていく。