工藤公康監督に正力松太郎賞 史上最多の5度目 抜かれた王氏は「立派な仕事」
プロ野球発展に大きく貢献した人物に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、都内で開かれ、ソフトバンクを4年連続日本一に導いた工藤公康監督(57)を選出した。工藤監督は5度目の受賞。王貞治ソフトバンク球団会長を抜いて史上最多となり、3年連続での受賞は、イチロー氏を抜いて、史上最長となった。
40分の議論を終え、会見に臨んだ選考委員会の座長を務める王氏は「いろいろと話は出たが、(日本シリーズ)4連覇というのは今年の野球に関しておけば一番ではないかということで、工藤監督に決定いたしました」と説明。自身が抜かれることになったことについては「それだけ工藤監督が立派な仕事をしたということですね」とたたえた。
選考委員会は王氏のほか、中西太氏、山本浩二氏、門田隆将氏、杉下茂氏の5人で構成。委任状を提出し欠席した杉下氏を除く4人で議論が進んだ。「すんなり決まったわけではなく、かなり議論が続いた」と門田氏。選手では中軸としてソフトバンクをけん引した柳田の名前が挙がり、育成力などを含めた組織の力を評価し、ソフトバンクをチームとして表彰する考えも出たという。
ただ、今年のソフトバンクは巨人のV9以来となるシリーズ4連覇という偉業で「工藤監督が大変素晴らしいタクトを振ったのではないか」(王氏)と、工藤監督の手腕を高く評価。史上最多5度目の選出という結論に至った。工藤監督には金メダルと賞金500万円が授与される。