楽天・岸孝之投手（３６）が１０日、仙台市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季で４年契約が終わり、新たに５０００万減の年俸２億５０００万円プラス出来高払いの単年契約で更改した。（金額は推定）

　今季は新型コロナ禍での自粛期間もあり、調整不足で開幕は出遅れ、７月に昇格後も２度の登録抹消など不振にあえいだ。それでも１０月以降は５勝０敗、防御率１・３８と意地を見せ「全く仕事も何もせず終わらなくて良かった」と振り返った。

　今季トータルは７勝０敗の成績も５０００万減での更改。ただ、楽天での４年間に「１年目は２桁（勝利）にいかず。３、４年目は何も貢献できず終わった」と岸。「ふと考えた時に顔が浮かぶ」というのは移籍時の球団副会長だった星野仙一氏だ。

　自らを故郷・仙台に招いた恩師は１８年１月に急逝。「こんな成績では天国の星野さんに怒られてしまう」と奮起を誓った。西武時代から慕う石井監督の胴上げも大きな目標だ。「何があっても我慢強く、一年間を戦い抜きたい」。強い決意とともに、ベテラン右腕が恩返しの一年に臨む。