DeNAソトの「故意落球判定」など4件にファインジャッジ賞 最優秀審判員も発表
日本野球機構(NPB)は11日、今季の最優秀審判員賞に有隅昭二審判員(52)を選出したと発表した。29年目の同審判員は2度目の受賞。審判員奨励賞には20年目の牧田匡平審判員(41)が、ファーム優秀審判員賞には5年目の古賀真之審判員(27)がそれぞれ選ばれた。
優れた判定をたたえ、表彰するファインジャッジ賞には10年目の岩下健吾審判員(32)、10年目の須山祐多審判員(32)、12年目の長井功一審判員(36)、10年目の梅木謙一審判員(32)の4人が選出された。
【最優秀審判員賞】有隅昭二(52歳、29年目)選考理由…投球判定精度が高く、ストライクゾーンがぶれない。また常に冷静で難しいプレイに対しての決断力が優れ、円滑な試合運びが評価された。
【審判員奨励賞】牧田匡平(41歳、20年目)選考理由…安定したジャッジ、特に球審での投球判定精度が高く評価された。若手審判員の目標になっており、リーダーの資質を見込み、さらなる飛躍を期待している。
【ファーム優秀審判員賞】古賀真之(27歳、5年目)選考理由…グラウンドでは常に行動的で、仕事に対して研究熱心。判定精度も高く自信に満ち溢れた行動や姿勢、ジャッジが評価された。
【ファインジャッジ賞】審判員の技術の向上を目的に優れた判定をたたえ、表彰する制度。▽以下4名が受賞者
(1)岩下健吾(32歳、10年目)9月25日・西武-楽天(メットライフドーム)の球審で一回裏、先頭打者が投手ゴロ。本塁一塁間の後半を走る際に、ファウルラインの内側を走り打球を処理した投手からの送球が当たった。球審の岩下は野球規則5.09a(11)を適用し即座に守備妨害を宣告。自ら場内放送をしてスムーズに試合を再開させた。
(2)須山祐多(32歳、10年目)10月1日・オリックス-西武(京セラドーム大阪)の二塁塁審で五回裏、1死一、二塁。三塁手からの送球を受けた二塁手の足が、僅かだがベースに触れていなかったのを最適な位置でしっかりと見切った。
(3)長井功一(36歳、12年目)10月18日・DeNA-巨人(横浜スタジアム)の二塁塁審を務め、二回表、無死一、二塁。打者が放った二直を二塁手のソトがグラブに当て落球。長井は野球規則5.09a(12)を適用し、「故意落球とし、打者走者をアウトにします」と放送。1死一、二塁で、試合を再開させた。
(4)梅木謙一(32歳、10年目)10月20日、阪神-広島(甲子園)の二塁塁審で四回、無死一塁。打者が本塁前に送りバント、打球を処理した捕手は一塁へ送球し、先に打者走者をアウトにした。その後一塁走者が一、二塁間で挟殺プレーとなったが、ボールを持たない遊撃手が一塁走者の走塁を妨げたとし、野球規則6.01h(1)のオブストラクションを宣告。ボールデットとして走者に二塁への進塁を指示した。自ら場内放送し、1死二塁で試合を再開した。