巨人・山口オーナー DH制諦めない「来季に限り暫定的に導入を」
巨人・山口寿一オーナー(63)が都内で取材に応じ、来季限定の暫定的なDH制導入を改めて提唱した。来季の期間限定や部分的な導入も視野に入れ、コロナ禍などによる投手の負担軽減が最大の目的だと説明。セ・リーグの他球団から賛同は得られていないが、「諦めるというのは、正しいとは思えない」と今後も実現の道を模索する方針を明かした。
揺るぎない決意と強い覚悟を示した。「あくまで来季に限って、DH制を暫定的に導入することを検討すべきではないか」。山口オーナーは、はっきりとした口調で提唱した。
最大の目的は投手の負担軽減。来季は今季よりレギュラーシーズンで23試合多い143試合が予定され、2年ぶりにCSも行う。さらに東京五輪が開催され、日程は変則的になる。原監督から今季は「選手たちも大変だった」という報告を受けた山口オーナーは「選手たちは、今季以上に調整に苦労するのではないか」と説明した。
危惧しているのは新型コロナウイルスの影響だ。「100年に一度と言われるコロナ禍、ただ中にいるわけです。国内の感染状況によっては来季も予定通りに開幕できない恐れもあるわけですよね。選手たちは自分が感染しないように、張り詰めながら調整をしていく」。負担を減らし選手の故障防止対策を取りたい-。「かけがえのない財産」という選手を守るために来季限定のDH制導入を訴えたのだ。
同オーナーによると巨人は、11月2日のセ・リーグ理事会で検討を持ちかけ、12月14日の同理事会で各球団の意見を持ち寄ることになったという。8日の株式会社読売巨人軍の定時取締役会で議論を行い、巨人軍の総意を示す山口オーナー名で検討のお願いの文書を14日・理事会に提出することで一致。取締役会を欠席した専務取締役の長嶋茂雄終身名誉監督(84)に意見を聞き、同オーナーは「DH制の暫定的な、導入に賛成をされていた」とも明かした。
球団は来シーズン限定導入の「プランA」だけではなく、来季の期間限定や部分的な導入の「プランB」も用意。「調整の特に難しい春先、例えば開幕から2カ月程度に限って」の部分的導入や、あらかじめ指名された指名代打者が、投手の打順が回った時に1回だけ打席に立てるなどのプランも披露した。
今後も実現の道を模索し提案を続ける方針だ。来季の開幕ギリギリまで話し合いをしたいという。他球団から賛同は得られていないが、山口オーナーは「取り合ってもらえないだろうから諦めるというのは、正しいとは思えない」と全力で取り組む姿勢を示した。