2位はドラ1早川獲得、1位には異例の事態が…担当記者による10大ニュース楽天編
デイリースポーツの各球団担当記者が独断で選んだ10大ニュース。今回はパ・リーグ4位に終わり、来季からは石井GMが新監督に就任して巻き返しを期す楽天編。
◆10位 コロナ禍で約40日間の自粛敢行
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、チームは3月31日から球場施設を閉鎖して自粛期間に突入。選手は自宅周辺などでの自主トレを行い、5月8日に球場施設を開放しての自主練習を再開するまで39日間の自粛となった。シーズン中も外食禁止などの予防対策を徹底し、球団から感染者を出さずにシーズンを乗り切った。
◆9位 高卒新人の黒川が1軍でプロ初安打&初打点記録
春季キャンプで1軍スタートを果たすと、その後も3月のオープン戦や練習試合でも1軍に帯同を続けた。開幕は2軍スタートとなるも、9月4日に1軍初昇格。同日のオリックス戦(楽天生命)に7番・二塁でスタメン出場し、中犠飛でプロ初打点。6日の同カードにも先発出場し、中前へのプロ初安打も放ち大器の片りんを見せた。
◆8位 ドラ1・小深田が新人王争い
ドラフト1位・小深田が、即戦力の期待に応える活躍を見せた。開幕1軍を果たし、シーズン序盤は代走などでの出場が多かった。その後、7月以降はスタメンに定着。徐々にプロのスピードに慣れ始め、打率も上昇した。07年・渡辺直人の32度を上回って球団新人記録となる33度のマルチ安打を記録するなど、打率・288、3本塁打、チームトップの17盗塁。新人王は西武・平良に譲ったが、最後まで候補として名前が挙がる躍動ぶりだった。
◆7位 右肘右肩手術の福山が支配下復帰
今季は育成選手として開幕を迎えた福山が9月21日に支配下選手へと復帰。14試合に登板して6ホールドを挙げて防御率も0・75と復活への一歩を記した。14年から4年連続で60試合以上登板を続けた鉄腕も、19年7月に右肘と右肩のクリーニング手術を受け、オフには戦力外通告。育成選手として再契約をして、支配下復帰を目指してリハビリを続けていた。
◆6位 渡辺直、久保、青山が現役引退
今年から兼任コーチを務めていた渡辺直が9月12日に現役引退を発表。引退試合となった今季最終戦の11月6日・西武戦(楽天生命)では1番・DHで出場して2安打を放ち、最終回では遊撃の守備に就いて選手生活に別れを告げた。また、3度の戦力外からはい上がり昨季通算500試合登板を達成した久保、13年の日本一に貢献した青山も現役引退となり、チームの世代交代を印象づけた。
◆5位 浅村が自身初の本塁打王獲得
移籍2年目となる浅村が開幕から本塁打を量産した。9月22日・ロッテ戦(楽天生命)では自身初となる1試合3本塁打を放つなど、今季は主に4番として打線をけん引。日本ハム・中田とのし烈な争いを制し、32本塁打で自身初となる最多本塁打のタイトルを獲得した。
◆4位 巨人とシーズン中に3度のトレードを敢行
昨季から石井GMを中心に積極的なトレードを行ってきた楽天。今季もシーズン開幕直後の6月25日に開幕2軍となったウィーラーとの交換トレードで巨人から中継ぎ左腕の池田駿を獲得。さらに7月14日には高梨を放出して巨人から高田を。そしてトレード期限終了直前の9月29日には捕手の田中貴を金銭トレードで獲得し、同チームとの3度のトレードで戦力補強を行った。
◆3位 涌井が史上初の3球団目での最多勝、FAで加入の鈴木大も活躍
昨オフに金銭トレードで加入した涌井が開幕から8連勝を記録するなど11勝を挙げ、自身4度目の最多勝に輝いた。涌井は西武(2度)、ロッテ時代にも同賞を獲得。3球団での最多勝獲得は史上初となった。また、FA移籍の鈴木大も自己最高の打率・295を記録。新戦力が期待に応えたシーズンとなった。
◆2位 ドラフトで早大・早川の交渉権獲得
10月26日のドラフト会議では、最速155キロを誇るアマナンバーワン左腕、早大・早川を、楽天、ヤクルト、西武、ロッテの4球団が1位指名。抽選の結果、石井GMが交渉権獲得の当たりくじを引き当てた。来季へ先発陣の補強が急務だったチームに、将来のエース候補が加わることになった。
◆1位 異例の石井GM兼監督が誕生
2年ぶりのBクラスとなる4位に終わり、CS進出を逃した。就任1年目だった三木監督がシーズン後に2軍監督に配置転換となり、石井GMが新監督に就任した。GM兼任という異例の形での全権監督が誕生。チームとしては3年連続での監督交代という事態となったが、これまでトレードやFA選手獲得などの戦力補強に手腕を発揮してきた石井監督が、どのように監督としてチームを率いていくかが注目される。