【佐藤義則氏の核心コーチング・2】右投手が左足上げた時点でほうきを当てる-左膝への意識強める
野球は今、いわゆるオフシーズンだ。プロ、アマに限らず、試合のないこの時期をどう過ごすかによって、今春、大きな差がついてくると言われる。名投手コーチと名高いデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(66)が、神戸西リトルシニアに協力いただき、指導する模様を掲載する。選手はもちろん、指導者、親御さんまで必ず役立つ核心指導で、ぜひレベルアップを!
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佐藤です。前回は、足を上げたときにやや、体重が後方にかかるため、スムーズな移動ができず、ボールがばらつく、という癖の矯正を行いました。ほうきの柄を背中側に置いて、それに当たらないように投げる、というドリルを紹介しました。
さて、次は右投手です。本格派で、すばらしいボールを投げます。体にも恵まれ、筋力も強いのでしょう。フォームに大きな問題はありませんが、パワーピッチャーだけに、上半身に頼ってしまうところも見られました。
腕力で投げようとすれば、やはり体が開き気味のフォームとなり、威力も制球もばらつきます。
着地した時点で、左膝が「割れる」。これは、ますます腕力で投げることになるので、先に挙げたデメリット以外にも、ピッチングでのスタミナ面や、肩肘の故障のリスクなど、いいことがありません。
こちらも、スムーズに体重移動する中で、左足が着地した際には、膝頭がまだ三塁ベース方向を向いているような意識が必要です。そして、着地後、左膝の上で体を回転させるイメージです。
とは言っても、意識だけで劇的に変えるというのはプロでも難しいものです。そこで今回も、ドリルを紹介します。前と同じで、ほうきの柄を使ってみましょう。
投手が左足を上げた時点で、その左足の外側にほうきの柄をくっつけます。これだけです。後は、ステップするまでくっつけておく(写真【1】~【4】)。くっつける側に力は不要です。足に触れているだけで、投手としては膝への意識が大幅に強まります。
ほうきを使った、前回の背中に触れないようにするドリル、今回の膝に当てるドリル、いずれも最初は違和感があると思いますが、慣れるまでやってみると、そうした道具を使ったドリルの方が早く、正しく効果が出ると思います。(デイリースポーツ野球評論家)