【佐藤義則氏の核心コーチング・3】三塁側に軸足、真っすぐ踏み出す-横手の特性生きる

 【1】サイドハンドはプレートの右を踏むことで、角度を生かせる(撮影・北村雅宏)
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 野球は今、いわゆるオフシーズンだ。プロ、アマに限らず、試合のないこの時期をどう過ごすかによって、今春、大きな差がついてくると言われる。名投手コーチと名高いデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(66)が、神戸西リトルシニアに協力いただき、指導する模様を掲載する。選手はもちろん、指導者、親御さんまで必ず役立つ核心指導で、ぜひレベルアップを!

  ◇  ◇

 佐藤です。今回、指導するピッチャーは右のサイドハンドという特徴を持っています。

 さらに、彼は投球プレートの左側、つまり一塁側に近いところを踏んで、ステップはクロスさせながら投げていました。

 その理由を聞いてみると、こちらの方がコントロールが定まりやすいということでした。

 ピッチャーにとって、投げやすい投げ方を選択する、というのは大事です。だからこれ自体は否定しませんが、見ていると、彼が言っているほど、左右のコントロールが一定しているという感じでもありませんでした。

 もう一つ、このやり方で気になるのは、サイドハンドの利点を消してしまう恐れです。右の横手投げで、プレートの一塁側を踏むと言うことは、例えば右打者の外角、左打者の内角に投げ込んだとき、三塁側を踏むよりも、ボールの角度が弱まります。右打者にとって逃げていく、左打者にとって食い込んでくる角度が緩くなる。

 それを少しでも保とうという狙いもあるのでしょう。ステップはクロス気味です。ただ、そのまま真っすぐ投げると三塁側へのボール球ですから、より強く体をひねる必要があります。なかなか負担の強い方法ですよね。

 まだ中学生ですし、難しいことをするよりも、基本に即したフォームを勧めてみました。横手の特性を生かすため、三塁側に軸足を置く。そこから、踏み出す足は真っすぐです(写真【1】~【3】)。

 素直に足を出して投げますから、右打者の内角へ投げ込むことは簡単でしょう。無理やり、腰をひねる必要がないので、右打者の外角へ投げるにしても、強い球が行きます。多少、外へ外れても、角度があるので最初はストライクに見える、という“副産物”もあります。

 どこを変えるにしても、慣れるには時間が必要です。ただし、時間をかけてやっても、どうしても投げづらいというのであれば、元に戻すことも立派な選択肢と考えてください。(デイリースポーツ評論家)

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