オリックス・ドラ4中川颯「人と違うことを」ロッテ・渡辺見て決意したサブマリン投法【NPB】
個性的な投球フォーム、打撃フォームの選手たちに、なぜ、そのフォームになったのか、その由来やこだわりを話してもらう『俺の原点』。第1回はオリックス・ドラフト4位・中川颯投手(22)=立大=にアンダースローになったきっかけやこだわりを聞いた。
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中川颯の投球フォームはこれぞサブマリンと言っていいだろう。足を上げたところから、上半身をグッと沈み込ませて地面スレスレの位置からボールを放す。独特の軌道が打者をほんろうする。
184センチの長身を考えればオーバースローで投げる手はなかったのか。そんな疑問に「プライドと意地。アンダースローへのこだわりです」と答えた。
横浜市の小雀少年野球部で野球を始めた。中学進学を控えた小学6年時に分岐点を迎える。横浜商で甲子園出場経験もあり、チームの監督でもあった父・貴成さん(50)から「上でやるなら人と違うことをしないとダメだ」と助言を受けた。
「身長も150センチくらいしかなかった。何か武器を持たないといけないと思った」
そんな時に日本シリーズで投げるロッテ・渡辺俊介の投球を見た。迷うことなくアンダースローに取り組んだ。手元にはいつも『アンダースロー論』(渡辺俊介著)を置き、フォームや配球を研究し続けた。成長期を迎え身長はグングン伸びていったが、投法を変える気持ちはまったくなかったと言う。
「プロを目指していたので、そこに行くためにアンダースローにした。足が速いわけでもないし、肩が強いわけでもない。運動神経がいいわけでもない。他の人と違うことをやらなきゃ生き残れないと思いました」
桐光学園で背番号1を勝ち取り、立大では1年春に最優秀投手賞を獲得するなど通算10勝を挙げた。
楽天・牧田和久、ソフトバンク・高橋礼らの投球フォームも目に焼き付け、配球を参考にしてきた。MAX136キロ。スピードを求めた時期もあったが「速くなるとバットの軌道に合ってしまう。120キロでも浮き上がる球の方がいい」という結論に達した。
プロ入り後も研究に余念はない。先日はOBでもある山田久志氏のテレビ番組を見て感銘を受けた。最高のサブマリンを目指し、“下手投げ道”を極める考えだ。
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