【佐藤義則氏の核心コーチング・4】体重移動時に横向きの時間を多く取る
野球は今、いわゆるオフシーズンだ。プロ、アマに限らず、試合のないこの時期をどう過ごすかによって、今春、大きな差がついてくると言われる。名投手コーチと名高いデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(66)が、神戸西リトルシニアに協力いただき、指導する模様を掲載する。選手はもちろん、指導者、親御さんまで必ず役立つ核心指導で、ぜひレベルアップを!
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皆さんおはようございます。佐藤です。前回まで、3人の、違ったタイプのピッチャーについて、僕なりに改善点を伝え、それに即したドリルなども紹介しました。今回は、それらを踏まえて一度、ピッチングというものの考え方を整理したいと思います。
大学、社会人、プロなどレベルが上がれば、コントロールというものが、投手にとっては生命線となります。しかし中学生、高校生くらいであれば、スピードにこだわってください。速い球を投げられる正しいフォームを覚えれば、制球力も必ずよくなります。
ここまでの連載で、特にこだわってきたのが、体重移動です。スムーズに、素直に捕手方向にステップを行い、着地地点、膝の上で上体が回転する。これによって、より前で、キャッチャー寄りのところで腕を振ることができます。
コツは「横向きの時間を長く取る」ということです。右ピッチャーであれば、体が三塁方向に正対した形で、本塁方向にステップするのですが、この形を少しでも長くすることを考えましょう。
そして、左足が着地した時点での体重配分は、右6~7、左4~3程度を目指してください。そこから左足をしっかりと踏ん張って、その左膝の上で上体を横回転させます。
この「横向きの時間」を意識すれば、しっかりとしたステップ幅を取ることができますが、腕を振る段階でまだ右足に体重が残り過ぎる、つまり最終的に左足だけで立つことができないようであれば、それは、足を開き過ぎ、球速アップにも制球アップにも逆効果です。バランスよく投げられる足幅を習得してください。
もう1点。上半身の回転の段階で、肩を使って投げる意識は捨ててください。「振るのは肘から先」です。肘を右上方に振っていく感じでリリースすれば、いい回転でボールが投げられます。