【佐藤義則氏の核心コーチング・7】全力で行いバランス崩さない-シャドー最大の効能
野球は今、いわゆるオフシーズンだ。プロ、アマに限らず、試合のないこの時期をどう過ごすかによって、今春、大きな差がついてくると言われる。名投手コーチと名高いデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(66)が、神戸西リトルシニアに協力いただき、指導する模様を掲載する。選手はもちろん、指導者、親御さんまで必ず役立つ核心指導で、ぜひレベルアップを!
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おはようございます。佐藤です。連載も残り2回となりました。この機会に、必ず上達する練習方法をお伝えしたいと思います。
まずは、私が折に触れて効能を強調する、シャドーピッチングです。プロ野球のコーチをしている時も、例えばキャンプ中などであれば必ずプロのピッチャーたちにやってもらっていました。それほど、フォーム固めに役立つ練習なんです。
いくつかの注意点があります。それを意識せずに、漫然とやっていたのでは、ただの時間つぶしで終わってしまいます。
タオルの真ん中あたりに、人さし指と中指を引っかけるように持ちます。つまり、ボールの握りと同じような感覚です。
そして、ブルペンや試合で投げるのと全く同じように投げる動作を行います。これが大切です。「フォーム作りだから」と、2~3割程度の力感でシャドーピッチングを行う選手もいますが、全力でやってください。
それでもバランスを崩さないようになることが、シャドーピッチングの最大の効能です。だから、ボールではなくタオルを持つ。負担がかからないから、肩、肘を壊すことはありません。
シャドーピッチングの応用編があります。2人1組で、パートナーに後方からタオルを持ってもらいます。そして、お互いが引っ張り合います。
この場合は、負荷をかける練習ですから、全力投球はしません。ピッチャーは、いかに強く引っ張るか。ただし、肩とか腕で引っ張ろうとしても、力が入りませんし、痛める恐れもあります。
下半身の力でやれば、腕の数倍の力が出せます。それを実感しながら、正しいフォームを身につけてください。