【ドラ1の逆襲】広島・中村奨成 魂震えた巨人小林の姿勢…「悔しさ忘れず」
ドラフト1位で入団しながらも現状に苦しむ選手にスポットを当て、今季への思いや意気込みを聞く“ドラ1の逆襲”。昨季、1軍デビューした広島・中村奨成捕手(21)は今オフ、大阪府内で広陵の先輩である巨人・小林に初めて弟子入りした。キャンプは1軍スタートが決定。教えを請うた心構えでグラウンドに立ち、開幕1軍入りを目指してサバイバルレースに挑む。
中村奨は、その一挙手一投足を目に焼き付け、その背中を追いかけたという。志願した巨人・小林との初めての合同自主トレが19日に終わった。野球への取り組みに心を揺さぶられると共に、心技体を鍛え抜いた2週間。充実した時間だった。
「1日目、2日目は練習に付いていくのがしんどかった。でも行って良かった」
守備力向上を目指し、初めて広陵の先輩の門をたたいた。スローイングや捕球後の足の運び方…。基礎から応用まで、目にする全てが最高の手本だった。
その姿勢にも魂が震えた。「『腐ってはいけない』『負けたくないという気持ちは常に忘れてはいけない』と言われました。あれだけの選手からそういう言葉があった。自分はもっともっとやらないといけない立場だなと改めて思った」。原点回帰した瞬間だった。
甲子園でまぶしい光を放った。17年夏。1大会個人最多本塁打で清原和博(PL学園)を更新する6本塁打の新記録を樹立した。大きな注目を浴び地元球団に入団した。
期待を背負った若鯉は2年目に故障などがあり1軍デビューは3年目の昨季。出場4試合は代打だった。ウエスタン・リーグで一時、首位打者になるなど、好調な打撃を買われての初昇格ながらプロ初安打はお預け。守備機会もなかった。厳しさを痛感させられた。
捕手争いはし烈だ。正捕手は会沢で、昨季81試合に出場した坂倉が2番手の座を確立した。今春は2年目の石原が1軍キャンプに帯同し開幕1軍を狙っている。中堅の磯村も2軍から虎視眈々と準備を整えている。
「去年の打てなかった悔しさ、試合に出られなかった悔しさを忘れず、キャンプから猛烈にアピールしていきたい。後がないと思っている」。もう4年目-。沖縄で一日も無駄にせず必死にグラウンドに立つ。