【ドラ1の逆襲】DeNA・東 勝負の年!昨年左肘手術「仕事放棄みたいで辛かった」
ドラフト1位で入団しながらも、現状に苦しむ選手にスポットを当て、今季への思いやこれまでの経験を聞く「ドラ1の逆襲」-。DeNA・東克樹投手(25)は18年のルーキーイヤーに11勝を挙げ新人王を獲得。だが以降は左肘の故障に苦しみ、昨年トミー・ジョン手術を受けた。4年目の今季は完全復活を目指す。
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「これ(野球)が仕事なんで。仕事放棄みたいなもの。それが一番つらかった」-。東はこう神妙な面持ちで振り返った。昨年2月に「左肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)」を受けた。12月にブルペンで投球を再開したが、現在は「波があり、良くなったり悪くなったりを繰り返している状態」と小休止しているという。
昨年はコロナ禍で自宅にいる時間が増えた。そこで「体に関しての知識が乏しかった」と食事や睡眠など体調を整えるための本を熟読した。寮にサウナがあることで「正しい入り方を勉強した。体を整える意味でも汗を出して血液の循環や老廃物を出したり」と知識を増やした。大好きなお酒を控え睡眠の質が向上するなど、時間をムダにはしなかった。
そして刺激を受けたライバルの存在も復活への原動力になる。大学日本代表でチームメートだった広島・森下は「大学より3段階ぐらい成長している」。阪神のドラフト2位・伊藤将とは仲が良く、ドラフト前には「どこになるやろな」と電話で話したという。
同じセ・リーグで対戦機会もあるだけに「1軍の同じ舞台で投げられるよう頑張りたい」と力を込める。同期入団のヤクルト・村上は「あそこまで活躍しているので、万全の状態で真っ向勝負して、どこまで通用するか」と打ち取るイメージを膨らませている。
キャンプではシート打撃に登板するところまで段階を上げていく予定。ただ「今は無理やり投げると怖さが勝ってしまう」と3月中の実戦復帰に向けて慎重に調整する方針だ。
三浦新監督からは「焦らず、じっくりと本当にいい機会だから体を作って」と言われた。「勝負の年」と位置づけ、支えてくれた人に恩返しできるよう、着実に一歩ずつ前に進んでいく。