【ドラ1の逆襲】オリックス後藤 代打1打席でも100%を!規定打席1度もなし【NPB】
ドラフト1位で入団し期待されながらも現状に苦しむ選手にスポットを当て、今季への意気込みを聞く“ドラ1の逆襲”。オリックスの後藤駿太外野手(27)は52年ぶりの高卒新人開幕スタメンという華々しいデビューで期待されたが、ここ3年は年々、出場試合数を減らしている。崖っぷちの危機感を持って今季に臨む。
12月。後藤は考えた。これまでの10年間を振り返り、ここからの野球人生を描こうと試みたが…。
2011年、高卒新人としては東映・張本勲以来、52年ぶりとなる開幕スタメンに抜てきされた。俊足、強肩、パンチ力のある打撃。輝かしい未来が約束されているかのようだった。期待通り、チームが2位になった14年途中からレギュラー格となると、100試合を超える出場を続けた。だが、殻を破りきれない。規定打席は1度も到達できなかった。
「正直、振り返りたくない。たくさんチャンスをもらってきたのに全部逃してきた。悔いが残る。もっと自分を信じてやればよかったと」
決して手を抜いたわけでも、慢心があったわけでもない。「人生かけるくらいのつもりでやった」。活躍する未来を描き、努力した。だが、結果が出ないと焦り、自分を信じられなくなっていった。
次第に出番は減っていく。昨季も開幕スタメンに抜てきされながら打撃不振で2軍落ちすると二度とお呼びはかからなかった。シーズン途中から中嶋監督に交代。戦力発掘を目指し、積極的な起用をする中、支配下選手で唯一、後藤だけ出番が巡ってこなかった。
「10年裏切り続けてそれでも残してもらえた。優勝しか考えていない。そのときに必要とされたい。守備固めの1イニングでも代打の1打席でも100%を出し切りたい」
11年目で初となるキャンプ2軍(B組)スタートが決まった。
「立場は分かっています。理想を描いてやってきたのは間違いだった。先のことを考えられるは正尚とか由伸だけ。僕は目の前のチャンスに何ができるか、だけ。一生懸命やる。それだけです」
“逆襲”は後藤にピッタリの言葉かもしれない。諦めず全力でプレーする。