21世紀枠に八戸西、東播磨、具志川商、三島南 神宮枠なく4校選出
「選抜高校野球・選考委員会」(29日、大阪市内)
第93回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園球場)の出場32校を決める選考委員会が行われ、21世紀枠で八戸西(青森)、東播磨(兵庫)、具志川商(沖縄)、三島南(静岡)が選出された。
八戸西(青森)は委員の高い評価を得た。文武両道を掲げる進学校。身長・188センチのエース・福島ら、入学前は強豪私学から声がかかる選手もいたが、大学進学を目指し八戸西に入部。昨秋は青森大会準優勝、東北大会8強。これまで夏の青森大会2度の決勝進出はあるが、甲子園への道は開けなかった。インクルーシブ教育に取り組み、部員は地域の特別支援学校に赴き、障がい者スポーツをともに行うなど交流。支援学校側からも、使い古しのボールにテープを巻いた手作りティー打撃用ボールが贈られるなど、関係を続けている。
三島南(静岡)は昨秋静岡大会4強。2014年から地元の幼稚園児や小学生との野球体験教室で交流を盛んに行う。今や申し込みが殺到する人気行事となっている。野球200年構想の一環として評価された。的当てやティーボールなどで遊ぶことで、野球の楽しさを伝えている。
東播磨(兵庫)は組合立高校として創立。昨年は新型コロナウイルスの影響で部活動を制限される中、福村監督は会議アプリを使ったミーティングやSNSを使った面接の時間を持ち、自ら動画を撮影してトレーニング方法を伝えるなど工夫して強化に励んだ。8強打ち切りとなった昨夏の兵庫県独自大会で8強進出。昨秋は兵庫大会準優勝と結果を残し、新しい時代の練習法を確立した。課外活動では地域一体活動として交通安全教育のリーダーを務めたり土のうを作るなど協力した。
具志川商(沖縄)は、昨秋沖縄大会準優勝、初出場の九州大会で8強。かつて校内は荒れた時期があったという。5年前には、指導者不在という事情もあり部員不足で合同チームでの大会参加を強いられたことも。それでもOBである現監督就任後はチーム強化に成功。学校行事でもリーダーを務めた。守備力が高くきめ細かい野球は、01年センバツで4強と旋風を起こした宜野座に重なる部分がある、と県高野連関係者が語った。