ヤクルト・奥川、初ブルペンで31球 虎007警戒「開幕カードくるんじゃない?」
「ヤクルト春季キャンプ」(2日、浦添)
ヤクルト・奥川恭伸投手(19)が2日、今キャンプで初めてブルペン入りし、オール直球で31球を投げた。見守った高津臣吾監督(52)は焦りは禁物と警告したが、右腕の力強い直球を高評価。視察に訪れた阪神・古里スコアラーは3月26日からの開幕3連戦(神宮)での対戦を見据え、警戒を強めた。
2年目の覚醒へ、奥川がついに動き出した。1球ずつ、丁寧に、大切に、キャンプ初ブルペンで腕を振った。「今日は捕手が座った状態で投げられたことが本当によかったです」。直球のみの31球。充実さが表情ににじんだ。
浦添の空が突然、暗転した。それでも雨粒を切り裂くように、スーッと白球が伸びた。真ん中に構えられたミットを目がけ、「バランスを意識しながら」と丁寧に投球。「負担の少ないフォームを目指してやっていきたい」。内外角への投げ分けや変化球などは次回以降のテーマとした。
自らの頭で考え、右肩上がりの成長曲線を描く球界の宝。視察に訪れた阪神の古里スコアラーはブルペン投球を確認すると、「腕も振れていたね。ローテの一角には入ってくる」とし、要注意人物に挙げた。
「冗談抜きで開幕のウチにくるんじゃない?警戒を強めないと」
ヤクルトの開幕3連戦は3月26日からの阪神戦(神宮)で、奥川は今季の目標にプロ初勝利を含む1軍での活躍を挙げている。「今年は1軍でやりたいと思っているので、必死に食らいついていく」とキャンプからアピールを重ね、開幕ローテ入りを狙っていく。
もどかしかった過去に別れを告げる。昨季はシーズン最終戦でプロ初登板初先発したが、2度のノースローを余儀なくされるなど、我慢の時期も過ごした。今年は負担軽減のために重心を下げた新しい投球フォームに着手。見守った高津監督は「焦りは禁物」としつつ、「(キャンプ終わりには)ゲームに投げられる態勢になってほしい」と2年目右腕の伸びしろに期待を寄せた。
投手陣再建を目指す高津政権のキーマンに。「昨年の悔しい思いを晴らせるように。今年は自分の体と相談しながら、投げられるところは投げて、しっかり肩を作っていきたい」と奥川。浦添から覚醒が始まる。