日本ハム・清宮に浮かび上がる課題「三振王になってもいい」内田順三氏の分析【NPB】
日本ハム・清宮幸太郎内野手への期待は大きく、キャンプでも連日カメラが追う。ここまで入団3年連続7本塁打だが、4年目の今季は覚醒するのか。巨人や広島で数々の強打者育成に尽力した名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウエブ評論家)に、打撃フォームから浮かび上がる課題を聞いた。(連続写真は上段左から1~4、下段左から5~8)
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前置きして伝えたいのは、彼はこの3年、けがに苦しんでいた。骨折や、右肘を手術したこともあったよね。同年代のヤクルト・村上と比較されるが、けがによるブランクがあったことも差を生んだ一因だろう。
ただ、素材が一級品であることは間違いない。巨人コーチ時代、ファームで彼の練習や試合での打席を見てきたが、打球の飛距離も違うし、やはり天性のものを持っている。評判通り、何年かにひとりの選手だなという印象は抱いた。
技術的な部分で気になるのは、まず写真1の構えから3まで。彼は柔らかさが長所でゴツゴツガンガン打つタイプではないと思うが、正面から見た写真であごが右肩に隠れてしまっている。肩に力が入り、上体が制御されてしまっているのではないか。もう少し、脱力感を意識してもいいだろう。
そして、4ではわずかに見えている左膝がすでに折れてしまっているのが分かる。5では完全に折れていて、これでは後ろのパワーが使えない。この折れが要因となり、6では前腰が緩み、前の壁、右足の内側に力を加えるのが緩くなっている。打つ時は中心軸で回転しなければいけないが、この写真を見る限り下半身の弱さを感じるし、ボールの見極めも悪くなるだろう。
下半身のパワーを最大限に引き出すためには、後ろ体重からステップした前足の内側に体重を移動するよう意識すること。修正していく練習方法として、ウオーキングしながらロングティーをするのもいいだろう。
テレビで見る限り、入団の頃より体が少し細くなっているように見えるし、フリー打撃でも受け身になっているようにも感じる。もっとふてぶてしく、左中間でも右中間でもぶち込んでやるという気概でやっていい。
とはいえ、高卒で入ってまだ4年目。柳田だって大卒でしばらくはファームにいたわけだから、まだまだ焦ることはない。やられていることばかり考えると良さが消える。三振王になってもいいと割り切り振っていってほしい。