楽天マー君 野村さんに恩返しだ!8年ぶり古巣「どういうふうに言ってもらえるかな」
「楽天春季キャンプ」(11日、金武)
南海(現ソフトバンク)などで名捕手として活躍し、ヤクルト、阪神、楽天でも監督を務めた野村克也さんが84歳で死去してから11日で一周忌を迎えた。楽天の田中将大投手(32)をはじめ教え子たちが名将をしのんだ。エースに育て上げてくれた恩師へ田中将は「恥ずかしくない姿、最後まで戦っている姿」を見せると誓った。
「マー君、神の子、不思議な子」の名言から14年…、恩師の存在は今でも特別だ。この日から全体練習に合流した田中将は、半旗が掲げられた球場で練習を終えると、神妙な面持ちで野村さんへの思いを吐露した。
「1年たったからというわけではないですけど、プロのキャリアを始めたときの最初の監督であり、プロの世界で生きていくための基礎をすべて教えていただいた監督だったので、自分の中ではやはり特別です」
ルーキーイヤーの2007年から3年間、野村さんから薫陶を受けた。自身をエースに育て上げてくれた恩師が亡くなって1年がたった今も「突然のような気がして、あまり実感がない。なんだか信じられない気持ち」。8年ぶりに古巣へ復帰し、「このタイミングで戻ってきて、どういうふうに言ってもらえるかな」と声なき声に耳を傾ける。
名将からの教えは今も心に刻んでいる。「外角低めにいつも投げられるようにしておけ。力ではなくバランスだ」と指導された。メジャーも経験し、日米通算177勝を積み上げた今も「そこはずっと大事にやっている」と語った。
入団会見時には「シーズン後に日本一になりましたと報告をすることができたら」と力を込めた右腕。これからも“野村イズム”を胸に腕を振り、恩返しする。