ノムさん孫が大阪球場跡地ホームベースに 克則コーチは阪神時代の残念な気持ち吐露
大阪球場跡地の複合商業施設・なんばパークス内にある「南海ホークスメモリアルギャラリー」が14日、リニューアルオープンした。昨年2月11日に急逝した野村克也さんの遺品が新たに展示され、ソフトバンクの前身である南海ホークスの歴史が正しく記された。「おかえり!ノムさん 大阪球場(なんばパークス)に。」と題して行われたオープニングセレモニーには野村家代表として野村さんの孫である忠克さんが出席した。
野村さんの息子で楽天・野村克則コーチがキャンプ中のため式典に出席することができなかった。父に代わって家族代表として忠克さんが大役を務めた。
メモリアルギャラリーのリニューアルに4354万1500円の支援金が集まったクラウドファンディングの発起人である江本孟紀さん(野球評論家)が始球式のマウンドに立つと忠克さんが「キャッチャー・野村」の場内アナウンスとともに当時の大阪球場と同じ場所にあるホームベースの後ろでキャッチャーミットを構えた。
「祖父を思い出しました」という忠克さんは、星槎国際湘南高から昨春、日大に進学。1年生外野手として白球を追い続けている。大役を終えると「祖父を超える選手になりたいと思います」と天国の野村さんが泣きそうな言葉を放った。
また、父・克則からのメッセージを代読。代読前に「はじめに一言申し上げます。昨夜、宮城、福島を中心に大きな地震がありました。宮城県、東北地方は祖父と私たち家族が育った大切な場所です。被害を受けられたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます」と被災地を見舞う言葉を加えた。
克則コーチは「私にとって父の記憶は監督・野村克也のものばかりです。特に南海ホークス・野村克也の記憶はほとんどありません。阪神タイガースでプレーしていたころ、このメモリアルギャラリーを訪れたことがあります。父から昔の話を聞かされていましたが、本当に写真も記録も残されていないんだなと残念に思っていました。昨年、江本さまからこのギャラリーに南海時代のユニホームや写真を展示したいとご提案を受けました。『ぜひお願いします』と返事をしました」
「クラウドファンディングでこれほどのご支援をいただけると想像もしていませんでした。南海ホークスと父を愛してくださったみなさまの思いが集まったものだと思います。本当にありがとうございます」とコメントを寄せた。