「練習試合、楽天３－６日本ハム」（２０日、金武町ベースボールスタジアム）

　日本ハム・中田が田中将から“今季第１号”を放った。一回１死一、二塁で５球目のスライダーを左翼席へ運ぶ３ラン。淡々とダイヤモンドを回った主砲は「（球が）しっかり芯に乗ったので飛んでくれるかなと思いました」と振り返ったが、喜ぶ気配は全くない。「正直、何の喜びもない。シーズンに入ったらこんなところに投げてくれないよなと思って一周していました」。達成感は皆無だった。

　田中将は天敵だ。２０１０年８月８日の公式戦初対決で本塁打を放ったが、通算対戦打率は・１８５。この日も起きてから打席に立つまで「嫌だなぁ…」との思いを持ち、久々の対戦では「すごく大きく感じるというか、近くに見えるというか…。すごくオーラを感じました」と雰囲気に圧倒されたという。

　対戦後に顔を合わせて「打つなよ」と声をかけられ、「たまたまです」と返答した中田。今季の公式戦で対戦する日の思いを聞かれ、「毎朝嫌な気持ちになるだろうね」と告白しつつ「それでも戦わなければいけないのが僕らの仕事。ここという時の１スイングがすごく大事になる」と力をこめた。