岡田彰布氏 巨人は投手陣が充実 残留の菅野、昨季9勝の戸郷ら力強い
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(63)が、虎のライバルとなるセ5球団の現状を分析する。第2回は巨人。
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巨人のブルペンを見たが、非常に活気があり、力を持ったピッチャーが多いという印象を受けた。捕手側から見て、昨季9勝をマークした戸郷はいいボールを投げていたし、2年目を迎えるサンチェスも力強かった。
DeNAからFAで移籍してきた井納も、ラミレス前監督の起用法が定まらなかったことで目立った結果は出せていないが、しっかり先発で固定して使ってあげれば勝ち星を残せるというボールを投げていた。
その上で、やはり菅野が残留を決めたことが大きい。先発ローテーションを組んでいく中で、戸郷を軸にしなければいけない状況では若干の厳しさはあったと思う。だが菅野がローテの軸で回ることにより、他の投手も生きてくることになる。
菅野がいる中での戸郷、菅野がいる中でのサンチェス-。こう考えた時に2番手、3番手に対するプレッシャーや責任のかかり方は違う。昨年のチーム防御率はリーグトップの3・34、失点数421は2位の阪神と比較して39点も少ない。その数字が示すように、投手陣は充実していると考えた方がいい。
一方で打線は坂本、岡本和、丸ら中軸がしっかりしており、得点能力もある。守備面も含めた総合力は非常に高いチームだと感じさせられた。