巨人とヤクルト電撃トレードの背景は?田口は「8勝できる」評論家の視点
巨人・田口麗斗投手(25)とヤクルト・広岡大志内野手(23)のトレードが合意に達したことが1日、両球団から発表された。
実績のある田口と、右の長距離砲として期待される広岡の電撃トレード。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「この時期に同一リーグでやるというのは驚き。パ・リーグとなら分かるが、両球団は思い切って決断したと思う」と語った。
これまで、対戦の多い同一リーグ間のトレードは極力避ける傾向にあったが、2月下旬にもパ・リーグで楽天・池田と日本ハム・横尾のトレードが成立。関本氏は日本でもトレードが活発になっていることに加えて、「コロナの影響で外国人が来日できていない状況もあるだろう」と理由を挙げた。
また、関本氏は「ともに、伸び悩んでいた印象もある」という。17年に13勝を挙げた田口だが、昨季は5勝で防御率4・63。一方の広岡も大型内野手として期待されてきたが、昨季は代打中心に8本塁打だった。
田口は今春の宮崎キャンプでは3日目に右太もも裏を痛めて帰京。この際、原監督は「職場放棄だ。戦う前にケガをした。野球選手が堂々と休んでるようじゃ」と厳しい言葉でゲキを飛ばしていた。関本氏は「原監督は決断が早い。左投手は先発でメルセデスに高橋や今村、若手の横川や井上も成長が見える。リリーフも守護神候補の中川に高梨、大江、今季は戸根の状態もいい。そういう意味では田口の評価というのは、高くなかったのだろう」とした。
ただ、トレードなど環境を変えることで選手が変わり身をみせた例は多い。投手力が課題のヤクルトにとって、先発もリリーフもこなせる田口の存在は貴重。関本氏は「田口は実績のある選手。体も絞ってキャンプに入っているし、故障が治れば先発ローテで8勝はできる力が十分にある」とした。
広岡は2月23日の巨人戦でドラフト1位・平内から本塁打。関本氏は「巨人にとってスケール感のある若手の内野手は魅力的。去年も左の長距離タイプの香月を沢村とのトレードで獲得している。次世代の主力候補を作っていきたいのだろう」と語った。