元プロもサポート!知的障害のある球児へ向けた「甲子園夢プロジェクト」発足
全国の知的障害を持つ生徒に硬式野球挑戦へサポートする「甲子園夢プロジェクト」の発足記者発表が6日、都内で行われた。発起人である都立の特別支援学校教諭で社会人野球クラブチーム・YBC柏元監督の久保田浩司氏と、元ロッテ投手の荻野忠寛氏ら指導者陣が出席。久保田氏は「誰もが憧れる甲子園を夢見るのは、別に知的障害者の子だって同じだよっていう思いも込めて。やってみる価値はある」と熱意を言葉に込めた。
日本高野連の規定では特別支援学校の加盟について、全日制高校と同じ承認手続きと定められている。ただ、07年に学校教育法の改正で盲、聾(ろう)、養護学校が特別支援学校へと一本化されてから新たに加わったのは14年夏の鹿児島特別支援学校のみ。15年秋から公式戦にも参戦しているが、いずれも連合チームで単独出場はかなっていない。
門戸が開かれていながら、まだまだ全国的な広がりが進まない現状を打破するべく今回のプロジェクトを立ち上げた。久保田氏がYBC柏を指揮していた当時、荻野氏が臨時コーチを務めていたことなどが縁で「真っ先に声を掛けた」と協力を依頼。二つ返事で快く引き受けられた。社会人野球経験者5人らとともに、能力を引き出していく。
全国の特別支援学校高等部の生徒(新1~新3年生)を対象に参加者を募り、27日に第1回の練習を予定している。前述の鹿児島特別支援学校との交流も計画中。指導を通して安全面も踏まえて硬式野球をやっていけると判断した場合、所属校へ高野連加盟や大会参加への挑戦を呼びかけていく。
身体障害者に比べて知的障害者はスポーツでカテゴリ分けが難しい部分がある。だからこそ、久保田氏は一般大会へ挑戦していくことが重要だと強調。「知的障害の子でもちゃんとやればできるんだっていうことを、このプロジェクトを通して本当に証明をさせてあげたい」。野球人口が叫ばれる中、裾野拡大にもつながる取り組みが動き出す。