中日・根尾は「まさに立浪」と感じたポイント 内田順三氏の視点
中日の18年度ドラフト1位・根尾昂内野手(20)。春季キャンプでは臨時コーチを務めた立浪和義氏(51)の指導も受け、ここまで1軍の実戦経験も多く与えられている。オープン戦では12打数2安打、打率・167だが、3年目の飛躍はなるか。巨人や広島で数々の強打者育成に尽力した内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が打撃フォームを分析する。(連続写真は上段右上から1~4、下段右上から5~8)
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キャンプで立浪が臨時コーチをして振り込ませていたが、その効果もあって確実に良くはなっている。高校時代は足を斜めに横振りでタイミングを取っていたが、足の上げ方に変化が見える。連続写真の2はまさに立浪のフォームにそっくり。始動を早め、足を上げて前でさばく。ブレは出るかもしれないが、真っ直ぐ系に遅れていたのだとすれば、改善も期待できる。
少し気になるのは1。構えが浅いように思う。最初から2の位置でトップを作ったほうが無駄な動きがなくなる。浅い構えからねじっていくので、2~4でバットが投手寄りに入ってしまう。左投手の変化球を打っている場面なので言い切ることはできないが、体をねじることでバットの軌道もやや外回りしているようにも見える。パワーで打つタイプではないし、無駄な動きがなくなればミート率はもっと上がるのではないか。
高校時代を見ていてもセンスは間違いない選手。ショートか外野か守るポジションはともかく、今は時間と打席数もたくさんもらっている。タイミング、始動を大事にやっていけば、1軍の高いレベルにも対応できていく期待感はある。
広角にシャープに打つのは立浪も信条としていた。新人の頃の弱々しいスイングではなくなっているし、下半身がもっと強くなればさらに良くなるはず。真似をすることも含めて、立浪スタイルでぜひ飛躍してほしい。